「犬・猫がキウイを食べていいの?」の質問に対して、何点か注意事項がありますので、△印をつけています。
犬・猫がキウイを食べるときの注意点
・食物繊維が多いので軟便、下痢の原因になる。
・カリウムの量が多いので腎臓病の犬、猫は注意。
・シュウ酸カルシウム結晶に注意。
<下痢の原因に>
キウイフルーツには食物繊維が豊富に含まれていますので、犬・猫が食べすぎるとウンチがやわらかくなったり、下痢を起こしたりします。
<カリウムの量が多い>
カリウムの量が100g中290mgと非常に多いので、血中のカリウムの値が高い場合や腎臓病の犬・猫が食べてはダメです。
<シュウ酸カルシウム結晶>
ホウレン草ほどではありませんが、キウイにはシュウ酸が含まれています。尿路結石の80%はこの結晶でできていますので、尿路結石ができたことのある犬・猫、尿路結石ができやすい犬・猫には与えない方が無難です。
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健康な犬・猫が食べてもよいキウイの量
・犬(体重5kg):生で10g程度。(『いぬのきもちより』)
・猫(体重4kg):刻んで小さじ1程度。
輪切り1個の半分で約10gです。
皮には毒がありませんので、皮ごと食べても問題はありません。
しかし、皮は消化されにくいので、与えるときは皮をむきましょう。
また、キウイの中心部には種がありますが、種は消化されずにウンチといっしょに出てきますので、種を取り除いて与えましょう。
キウイの栄養分による効果
・便秘の解消
・疲労回復、食欲増進
・抗酸化作用
・たんぱく質の消化と吸収を助ける
<便秘の解消>
キウイには、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の両方が含まれています。
水溶性食物繊維が100g中0.7gに対し、不溶性食物繊維は100g中1.8gです。
不溶性食物繊維は腸の中でふくらみ、便を押し出すのに役立ちます。
一方、水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌が増えることで腸内環境が整います。
これらの作用で、便秘が解消する可能性があります。
<疲労回復、食欲増進>
キウイの酸味は、クエン酸やリンゴ酸によるもので、これらは疲労回復や食欲増進に役立ちます。
<抗酸化作用>
ビタミンCとビタミンEが豊富に含まれていますので、活性酸素による細胞への攻撃を防ぐ作用(抗酸化作用)があり、健康な皮ふを維持したり、老化防止に効果的です。
<たんぱく質の消化と吸収を助ける>
アクチニジンという酵素が、たんぱく質の消化と吸収を助けます。
これにより、未消化で出てくるウンチによる食糞が治る可能性があります。
※アクチニジンは酸に弱いので、胃の中で効果がなくなると言われてきましたが、最近の研究では消化を促進するという意見に傾いています。
食糞について詳しくは「犬・猫が食べてもよいパイナップルの量/食糞が治る??」を参照してください。
<その他>
注意事項としてカリウムが多く含まれていると書きましたが、本来カリウムはナトリウム(塩分)を排出させたり、血圧の上昇を防ぐ効果があります。
体内のカリウムの量が不足すると、ナトリウムの排出が困難になりますので、高血圧を引き起こし、けいれんをおこしたり疲労感を感じるようになります。
カリウムは水に溶けやすいので、過剰に摂取しても尿といっしょに排出されます。
しかし、腎臓の機能が低下していると、カリウムの排出が困難になり、血中にカリウムが流れます。
血中のカリウム量が多くなると、不整脈を起こし、最悪、心臓が停止します。
また、カリウムが体内に蓄積されると、代謝性アシドーシスという合併症を引き起こす可能性があります。
代謝性アシドーシスは血液が酸性に傾く病気で、酸性に傾くと二酸化酸素の量が増えて酸欠を起こします。
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