犬や猫にしらす・ちりめんじゃこを与えてはダメな理由
しらす・ちりめんじゃこは、塩分が多いので、犬や猫に与えてはダメです。
また、しらす・ちりめんじゃこにはカリウムも多く含まれていて、血中のカリウムの値が高い犬・猫には問題です。
よく問題になるのは、食材に含まれる塩分の量です。
少し前までは、「犬や猫には塩分は大敵!」と言われていました。
最近の風潮は、「犬や猫にも塩分は必要」、「余分な塩分は排出される」という流れになっているような気がします。
もちろん犬や猫にも塩分は必要で、不足すると心臓機能の低下などが起こります。
しかし、ドッグフード、キャットフードを食べているのなら、それ以上の塩分は必要ありません、手作りオンリーなら別ですが。
余分な塩分は、腎臓が排出してくれますが、排出するにはカリウムが必要であることと、腎臓が正常に機能していることが条件です。
腎臓が正常に働いていても、腎臓に負担がかかっていることにはかわりません。
特に、生涯を通して、泌尿器系の病気にかかりやすい猫には、できるだけ腎臓に負担がかからないようにしてあげましょう。
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しらすの塩分量はそんなに多いの?
成犬の場合、1日に必要なナトリウム量は、体重1kgで50mgと言われています。
これを食塩に換算すると、0.127gになります。
計算式:ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
50mg×2.54÷1000=0.127g
体重5kgの成犬なら、0.127g×5=0.635gが1日に必要な食塩の量です。
0.127gを60倍すると7.62gとなり、人間と変わらないという議論があります。
しかし、犬や猫などの動物は、不明な点がまだまだ多く、人間の内臓機能と同じように考えてはいけません。
さて、しらすは、「しらす(生)」→「しらす干し」→「ちりめんじゃこ」になるにしたがって、塩分が凝縮されて高くなります。
100gあたりのナトリウム量は、それぞれ「380mg」→「1600mg」→「2600mg」。
食塩に換算すると、100gあたり「0.97g」→「4.06g」→「6.60g」。
「犬や猫が「しらす」を100gも食べられないでしょう?」
体重5kgの成犬の1日に必要な食塩の量は0.635gですので、生のしらすを約70g、しらす干しなら約16g、ちりめんじゃこなら約9.6gで1日の上限に達しますね。
確かに、ちりめんじゃこ10gでもけっこうな量になります。
しかし、その日の食事は、ちりめんじゃこ10gだけで終わりですか?
もう一度確認しておくと、余分な塩分は腎臓が排出しますが、腎臓に負担をかけます。
犬や猫は、1年で4歳~6歳老いていくことを忘れないようにしましょう。
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補足「しらす」と「ちりめんじゃこ」の違い
「しらす」は、かたくちいわし、まいわしの稚魚です。
生のしらすは冷蔵保存がきかないので、水揚げされた当日に食べるのが基本です。
なので、一般には、生のしらすは手に入りません。
生のしらすを釜茹でしたものを「釜茹でしらす」。
釜茹でしらすを少し干したものを「しらす干し」。
しらす干しをさらに乾燥させたものを「ちりめんじゃこ」と一般には呼んでいます。
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